日程に従い、一般質問を行います。順次発言を許可いたします。石橋保則君。(拍手)
*
石橋議員質問
7 ◯三十九番(石橋 保則君)登壇 おはようございます。
福岡県政クラブの石橋保則です。通告に従いまして質問いたします。
〔
井本議長退席 井手副議長着席〕
まず第一点目は、
RDF発電問題についてでございます。
RDF発電は、
三池炭鉱閉山後の大牟田市の新しい
まちづくりの
リーディング産業として市民の期待を担い、昨年十二月稼働いたしました。平成九年に、石炭産業にかわる基幹産業の創出を図ると同時に、
資源循環型社会の形成と環境保全を進めるため、環境、
リサイクル産業の創出、育成を図る方針が示され、翌十年に
エコタウン事業の承認が国によってなされ、
RDF発電事業計画がスタートいたしました。総事業費百五億円、福岡、熊本県内の七団体、二十八市町村の参加で日量三百十五トンのRDFを処理し、二万六百キロワットの発電を行う日本最大の
ごみ発電所でございます。私自身も、この
発電事業について、
ダイオキシン類対策特別措置法による
ダイオキシン類に対する有効な対策として、またRDFを焼却する際発生する
熱エネルギーを発電に生かすいわゆるサーマル
リサイクルというこの計画、そして
RDF発電所を中核として新しい
環境産業の創出を図り、地域の活性化に寄与する、そういった事業として理解をしてきました。
RDF発電事業がスタートして十カ月が経過いたしましたが、この十カ月間の
RDF発電事業を見てみますと、当初の期待とは裏腹に
RDF発電事業への疑問や不安が日々高まってきているのは私一人ではなく、多くの県民が持っているのではないかと思っております。多分麻生知事も、そして
大牟田リサイクル産業株式会社会長武田副知事も、事故のたびにそういう思いをめぐらせていらっしゃるのではないかということもあります。それは本当に、余りにも事故が多過ぎるからでございます。昨年十二月稼働し、わずか十カ月で四度もの事故が発生しています。第一回目は、本年一月二十六日、送風機羽の破損事故で二十一日間の運転停止、第二回目は四月二十三日、
不燃物排出砂循環装置の損傷、第三回目は八月八日でした。この日は
厚生環境委員会の管内視察で、昼間委員の皆さん方が
RDF発電を視察をし、そして安全性について会社の関係者から説明があったその数時間後です。
ボイラー伝熱管破損事故が発生いたしました。そして八月二十四日、発電開始まで十五日間運転が停止されたわけでございます。そしてまた、つい先日、三重県
RDF発電所事故後、サイロは適正に管理されている、大牟田の
リサイクル発電は安全であると発表した一カ月後、九月二十三日、安全と発表したその
貯蔵サイロで
排出コンベヤーにおける発煙事故が発生いたしました。調べによると、RDFの一部が焦げた状態となっており、発見がおくれたら三重県と同じ大災害になっていたのではと思いますと、背筋が寒くなる思いでございます。民間企業における新しい施設、プラントの稼働に当たりまして、十カ月間に四度も事故を起こすということは、全く考えられないことでございます。しかも、事故は単に
大牟田RDF発電所だけではなく、全国各地で多発しております。今申しましたように、八月十四日、三重県多度町の三重県
RDF発電所の
貯蔵サイロ内で火災が発生し四名が負傷、そして十九日にはサイロが爆発し二名が死亡、一名が負傷するという大事故が発生したことはまだ記憶に新しいところです。三重県はこの事故だけでなく、
タービン軸の破損や
蒸気配管弁のふぐあいなどの事故も以前発生いたしております。そして八月二十九日、広島県福山市では、試運転三日目に発電の心臓部とも言うべき二次焼却炉内で排ガスが逆流し、
空気ダクト、助
燃バーナーや配線を焼損するという事故が発生しています。しかも、事故は発電所だけでなく
RDF製造過程でも多く発生しています。十三年一月、山口県豊浦町、昨年は高知県東津野村や鹿島市で、そして本年四月、本県篠栗町にある須恵町外二カ町
清掃施設組合の
RDF製造施設で出火事故が起きています。九月十二日、
総務省消防庁の発表によりますと、国内で二百カ所ある
RDF関連施設──未稼働も含んでおりますけれども、そのうち四分の一強の五十三施設は何らかの事故を経験し、その八割が
RDFそのものが原因と見られることが明らかになりました。このように、RDFに関する事故は、RDFの製造、貯蔵、そして発電のすべての過程で発生しております。何よりもすべてに優先されるのは安全であり、今申しました事例を考えたとき、果たしてその安全が本当に優先されて
RDF関係の事業が計画され、実行されてきたのか疑問を持たざるを得ません。多種多様な成分を持つごみを砕いて乾燥させ、石灰を加えて圧縮したRDFは、石油や石炭などの
発電燃料と違って、成分や特性がまだ明確につかめているとは言いがたく、その製造から貯蔵、燃焼による発電に至るメカニズムが十分に解明されていないのではないのか、あるいは技術的にまだ未完成ではないのかという疑問を感じます。そこで知事にお尋ねいたします。
まず最初に、今申しましたように全国で
RDF関係の事故が多発していますが、たび重なる事故に対して知事はどのような認識を持たれているのか、またその大きな原因は何かお伺いいたします。
二点目は、三重県で起きた爆発事故などからどのような教訓を受け、そして
大牟田RDF発電所の設備改善などにどう生かしたのか、あるいは今後どう生かそうとしていく考えなのかお尋ねいたします。
三点目は、
貯蔵サイロは
ごみ固形化燃料が消防法の危険物に当たらないため、法の
規制対象外となっており、
RDF自体の防災対策に関し、法的規制がない状態であり、またRDFの形状などについても
工業技術院に標準情報が制定されているだけであり、法的な規制や基準が必要だと考えます。徹底した安全確保のため、規制や
基準づくりなどを積極的に国に働きかける必要があると考えますが、知事の考えをお伺いいたします。
四点目は、全国で
RDF発電を行っているのは試運転中も含めまして五カ所、十五事業所ありますが、これらの
施設管理者との情報交換はどのように行われているのか、お尋ねいたします。
五点目は、現在福岡県を初め
発電株式会社、
参加市町村などで構成された
運営協議会がつくられておりますが、定期的な情報交換、施設相互間での点検の実施、研究などを行い、より適切な
RDF製造態勢を図るため、
協議会運営内容の充実を行う必要があると考えますが、知事の考えをお尋ねいたします。
六点目は、一昨日、事故に伴う損害賠償についてですが、一月の事故について、一千六百二十万の賠償額を
メーカーが支払うということで合意に達したことが明らかになりました。これまで四度にわたる事故による
大牟田リサイクル発電株式会社の損害額は幾らになるのかお尋ねいたします。四度の事故は、運転上のミスではなく、構造などが原因であると言われていますし、当然事故による損害は、
メーカーなどの
原因者責任です。事故などによる損害に対して、今後も
メーカーなどに損害補償を要求する考えはあるのか、
環境部長にお尋ねいたします。
七点目は、
メーカーの
保証期間についてです。
メーカーの
保証期間はいつまでなのか、
RDF発電所は事故の連続で安定した運転状態になっているとは到底思いません。安定した運転態勢の確立の見通しが立つまで
保証期間の大幅な延長を
メーカーに要求する考えがあるのか、同じく
環境部長にお尋ねいたします。
八点目は、技術的には未完成の部分があるという感じがいたします。だからこそ事故が多発しているのではないかと思っております。したがって、事故の防止、安全性の確保に向け、設計内容の総点検などを図る必要があると考えております。
メーカー、大学あるいは研究所などの専門家によるチームをつくり、設計内容の総点検を行い、市民、県民に安全性を担保する、そういった研究をぜひしていただきたいと考えますが、知事のお考えをお尋ねいたします。
次に、
大牟田リサイクル発電株式会社の事業概要についてお尋ねいたします。
まず、
RDF発電事業について、ゼロ
エミッションという方針で計画がなされております。ゼロ
エミッションという方針に対する知事のお考えをお尋ねいたします。
次に、平成十四年度の経営状況についてですが、決算では二千六百万円の赤字となっています。十四年度当初計画との比較について、また赤字になった要因は何であったのかお尋ねいたします。あわせて、十五年度の決算の見通しについて、
環境部長にお尋ねいたします。
三点目は、焼却灰の処理の問題に関して質問いたします。焼却灰の処理は、当初土木資材などとして
リサイクルすることを予定し、研究がなされていました。しかし、焼却灰の処理方法が完全に確立しないまま、いわば
見切り発車のような形で
発電事業がスタートいたしました。その結果、焼却灰は緊急避難的な処理の形で三池製錬において溶融処理を行ってきましたが、これも七月で終わり、八月から来年三月まで大牟田市の
最終処分場への搬入が、これもまた
緊急避難的措置として実施されています。これに対して、
大牟田市議会を初め市民の間から厳しい批判の声が上がっていることは御承知だと思います。ゼロ
エミッションという理念に基づく一日も早い恒久対策の確立が急がれます。そこで、質問いたします。
焼却灰の処理の
恒久的対策をどのように行おうとしているのか、検討状況、時期の目途、そしてもし土木資材として
リサイクルする場合、そのコストは幾らくらいに見積もられているのか、具体的に
環境部長にお尋ねいたします。
四点目は、財政の見通しについてです。現在、市町村が
RDF発電所に支払う
RDF処理委託料は、トン五千円となっています。一方、経費として焼却灰の処理費は
トン当たり一万二千円と計画されていました。しかし、昨年十二月から本年三月まで三池製錬で行ってきた焼却灰の
処理委託費は約三万一千円と計画を大きくオーバーいたしました。今後、
リサイクルを基本とした焼却灰の恒久的な処理態勢ができたとしても、計画のトン一万二千円では困難ではないのかという意見を関係者から聞きます。焼却灰の処理単価が大幅に引き上げられるような事態になった場合、現在の処理費用で経営が成っていくのか、大幅な計画変更が必要ではないのか、
環境部長にお尋ねし、この項の質問は終わります。
次に、農業問題について質問いたします。去る九月二日に、平成十四年度の福岡県農業白書が公表されました。この白書は、県農業の指針あるいは広く県民に、本県の農業に対する理解を深めていく資料として昭和四十八年から毎年発行され、今回が三十回目の節目に当たっております。その内容は、農業の動向を総合的にとらえ、現状のほか問題点や課題を整理し、施策の方向を明らかにするため刊行されてきたと認識しています。白書は、数値が並んだ分厚い時代から、食料・農業・
農村基本法や
県条例制定に伴い、農業にとどまらず食料や農村も含め、幅広い視野に立ち、内容が充実してきました。また、平成八年度分からは目まぐるしく変化する農政を踏まえ、そのときどきの大きな変化などについても特集が組まれるなど、さらに充実したものとなってきています。ところで、今回公表された白書を読みますと、構成や内容がこれまでのものと比較して変わってきたようです。その特色は、県農業・
農村振興条例に基づく動向や農業、農村に講じてきた施策の実施状況を知事が公表するという大きなよりどころの上に立っているということではないでしょうか。また、県条例に基づいて定められた
振興基本計画を中心に、その実施状況について記載し、さらに農業生産などの動向的なものがなくなり、特徴的なポイントのみの記載となっていることです。最後に、これまで農政の大きな動きなどを特集として扱ってきましたが、県が実施してきた施策の大きな成果をアピールするよう特集化されています。これらは、農家が夢と誇りを持ち、元気が出ることに結びつくものと考えられます。目まぐるしく変化する農業などの動向を踏まえ、施策の方向などを公表するこれまでの白書に比較して、県条例や
基本計画を念頭に置けば、ことしの白書は説得力があり、だれにでもわかりやすいもので、一定の評価ができるものと考えます。しかしながら、県条例や
基本計画は、県民にとって何か遠いもののように感じられてなりません。その意味では、この白書を県条例や
基本計画の一連の流れとして位置づけ、計画がどれほど実施できているかなどわかりやすく具体的に訴えることにより、農業者のみならず、県民は条例や
基本計画を身近に感じることができるのではないかと思っております。特に、県民とつくり上げる新しい福岡の農業を目指すならばこのことは大変重要なことであると考えます。今回の白書の公表に当たって、マスコミはこぞって、あまおうで
日本一奪還など特集を中心として記事を取り上げています。残念ながら内容が大きく変わったことなどについて、全く触れられていません。県はこの白書の趣旨を徹底させるため、市町村、農協、
消費者団体などの関係機関に配布したり説明会を行うなど、また県のホームページに掲載するなど努力されているようです。この際、白書の持つ意義と役割をしっかりと伝えていくことが一層求められていると考えております。さらに、今後は食の安全や食育など県民の関心の強い内容を盛り込むなどしながら、白書の充実に対する努力を強く望みたいと思っております。
そこで知事に伺います。農業振興を図る上で、この白書をどのように位置づけてあるのか、基本的な考え方についてお伺いいたします。また、白書の作成に当たって、担当者が多くの時間と労力をかけている割には余り活用されず、書棚に資料として残されていることが多いと仄聞いたします。もっと活用すべきではないのか、その活用方法や関係者の意識改革も必要ではないのかと考えております。知事はどのように考えているのかお尋ねいたします。
次に、白書の特集に、意欲ある
認定農業者へ個別支援を開始、と新たな制度を紹介しています。この制度創設の十四年度は、二十五名を対象に九千三百二十万円の補助金が交付されました。十五年度は、あくまでも予定ですが、三十一名を対象に十四年度の二倍以上の補助金による支援が行われる見込みのようであります。収益性の高い園芸などの農業に対し、この施策の導入は画期的なものであり、農家からも大変好評を受けております。この制度は、組織化が困難な
認定農業者が規模の拡大や新技術の導入などを積極的に進めようとする場合、個人でも取り組めるものであります。この二カ年間の
地域別状況を見ますと、予定も含んでその実績は県南地域に偏っています。
認定農業者の絶対数の多さから考えて、当然の結果であると考えておりますが、しかしながら
県北地域の筑豊、京築、北九州はその農業事情から考えれば、県南地域より組織化は厳しい状況であることは確かです。これら
県北地域でも、この取り組みが進むよう何らかの要件緩和などの措置がとられないものか、知事に質問いたします。
四点目ですが、またこの制度は意欲と能力のある農家の創意工夫を助長することが本県の農業を活性化する切り札という考えで、現在、園芸分野を中心に実施されていますが、米や畜産も本県にとっては主要な品目であり、県農業に大きく貢献しています。
農業活性化の視点から考えた場合、なぜに園芸を中心とした制度にとどめるのか、米や畜産農家にも個別支援の制度を導入すべきではないのかと考えております。また、助成に当たっての条件緩和なども行うべきではないのかと考えておりますが、知事にお考えをお尋ねし、この項の質問を終わります。
最後に、県立高校再編問題について質問いたします。平成十二年十二月、
県立高校再編計画が策定されました。これは、国際化や情報化、少子、高齢化の進展を初め産業構造や就業構造の変化など、これまで以上に大きな変化が予想される二十一世紀にあって、教育環境も社会環境の変化や生徒の意識の多様化、さらに生徒数の減少などと大きく変わる中、これらに対応する改革方針として打ち出されました。私もこの改革計画が地域の理解と協力、そして学校現場における
教職員一体となった取り組みの中、生徒や保護者、地域の信頼にこたえられる学校となるよう進められることを願っております。
さて、本年四月、第一次分として六校がスタートいたしました。私が住む大牟田市でも、地域の期待と生徒の希望を乗せ、
総合学科高校としてありあけ新世高校が開校し、第一期生として入学した
生徒たちは今勉学に励んでおります。しかし一方、募集に当たり定員割れした高校もあり、その原因も分析し、今後の再編計画に生かさなければなりません。そこで、質問いたします。
まず、本年四月、開校した六校について、高校再編の理念や新設高校の理念に照らして、どう評価しているのかお尋ねいたします。
次に、今春開校した六校の
再編対象校が十二校ございます。この学校では、来年度は三年生だけとなり、
再編対象高校最後の生徒となります。この
生徒たちに対し、最後まで心の行き届いた授業を受けさせることも大切だと思います。しかし、ほとんどの学校が二クラスから三クラスであり、定数配置の基準だけでの職員配置では、多くの問題が生じると考えております。各学校の状況を十分把握した職員配置を行い、
生徒たちが最後の授業をしっかりと受けられる
教育環境づくりが必要と考えますが、教育長の考えをお尋ねいたします。
三点目は、十六年度開校いたします
中高一貫校について質問いたします。
第一点目は、何を目標として
中高一貫校を開校するのかということです。
中高一貫教育の理念、目標についてまずお尋ねいたします。
二点目が、どのような環境で新しい学校をスタートさせようとしているのかということです。私、八月、地域の方、保護者、六年生の子供、中学校の教師の皆さんたちと黒木高校を視察し、学校施設の見学や県教委や学校関係者と意見交換を行いました。その中で、多くの課題、問題点が出されました。県下最初の
中高一貫校として、地域の期待も大きいのですが、本当にその期待にこたえ、希望にあふれて入学する子供たちの心にこたえられるハード面、ソフト面の整備がなされているのかということです。ソフト面では、準備室などを中心に、今、鋭意検討がなされているようですが、ハード面の整備については、不十分であると言わざるを得ません。校舎の問題や寮、運動場の問題など多くの問題を抱えています。希望に胸膨らませて入学する子供たちの気持ちに本当にこたえられるような施設なのか、また
中高一貫校の理念に基づき教育が行われる態勢なのか心配しています。
そこで具体的な問題について質問いたします。
まず、アンケート調査や説明会への参加状況、学校関係者の意見などを総合して輝翔館中等教育学校への入学希望者の見込みや、その中で通学が困難で寮に入寮する子供たちの人数を何名くらいと予想しているのかお尋ねいたします。
二点目は、輝翔館中等教育学校の整備計画です。来年三月末に基本設計が終わり、来年度以降順次整備がなされると聞いておりますが、特に問題となるのが寮の整備についてです。四十年以上も経過し、老朽化している寮に何らの手だても行わず、新しい中学生を入寮させるのでしょうか。寮の整備計画がどうなっているのか、具体的にお答えください。
また、寮の運営について、舎監という専門スタッフを配置する考えがあるのかということです。思春期の子供たちにとって、舎監はある意味では親がわりであり、子供と毎日触れ合いながら子供の小さな変化などに気配りし、子供たちが楽しい寮生活を送れる環境をつくるためには、専門のスタッフが必要であります。すぐ近くにあります町立黒木中学校の寮には寮専属のスタッフとして、五、六名配置されていると聞いております。中学生を受け入れる寮として、どのような態勢をとられるのかお尋ねいたします。
三点目は、校舎関係の整備についてです。今日まで保護者や地域での説明会で、一人一人のニーズに合ったきめ細かい授業を行うため、少人数、習熟度別の授業を実施すると説明していますが、当分は黒木高校と同居を余儀なくされることから、果たして教室が足りるのかお尋ねいたします。同時に、今後整備がなされると思いますが、校舎整備計画がどのようになっているのか、年次計画も含めてお尋ねいたします。また、習熟度別学習を行うための専門スタッフの配置について、どのように行うのかあわせてお尋ねいたします。
設備面のもう一つは、プールや運動場などスポーツ施設の整備も重要だと考えます。運動場も非常に狭い状況で現在の黒木高校ですら部活動に支障が出てきているのに、部活に燃えるぞという輝翔館の言葉が空虚に聞こえます。あの狭いグラウンドで輝翔館と黒木高校が同時に野球やラグビー、陸上などの部活が本当にできるのか心配するのは私一人ではありません。ぜひこのスポーツ施設の充実についても、一日も早く図られるよう要望いたします。
四点目は、来年度開校します三校に共通していることですけれども、通学のための公共交通機関の整備も大きな課題です。全県下を通学区域に持つ三校は、いずれもJR駅からは遠く、バスなどの整備が必要ですが、交通機関の整備がどのように行われているのかお尋ねいたします。
最後に、財政的な縛りもあるでしょうけれども、高校再編に伴う新しい学校が、福岡県の将来を担う子供たちが希望に燃え、学習ができる環境、夢が大きく膨らむ教育環境に整備されることを再度強く要望して質問は終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
8 ◯副議長(井手 善来君) 麻生知事。
*知事答弁
9 ◯知事(麻生 渡君)登壇 大牟田の
RDF発電所の問題についてであります。
RDF発電所は、全国に幾つかあるわけでありますが、特にこのたび三重の発電所で大事故を起こしてしまいました。大変残念なことでありますし、非常に憂慮いたしております。我々の大牟田発電所の方でありますけれども、これまで四回の事故を起こしております。この原因につきましては、それぞれ違うわけでございまして、一概に申し上げられない面がございます。いずれにいたしましても、安全を確保するということは最も重要なことでございますから、安全対策に細心の注意、対応策を講じて、この運営に当たっていきたいというふうに考えております。
ほかの施設での事故の教訓についてであります。三重県の事故が大規模で最も深刻な問題であるわけなんでありますが、これは我々接触をいたしておりますけれども、今三重県の方では国などにおいて全面的な原因究明がなされておるという段階であるということでございます。その結果をよく見てもらいたいということでありますし、我々もこのような国などで行っております全面的な調査結果、これを踏まえて、必要な点につきましては大牟田の教訓にしていきたいと考えております。
RDF発電所の
基準づくりの問題についてでございます。三重県の事故を受けまして現在、環境省、経済産業省、消防庁におきましてそれぞれ所管しております法律上の見地からRDFの安全管理に関します基準作成を目的といたしております委員会が既に設置されて具体的な検討に入っております。こちらの、県の方でも大牟田の発電所を動かしておりますから、必要に応じまして積極的にこの検討委員会に情報を提供して協力をしてまいりたいと思っております。
RDF発電事業者間の情報交換の問題についてでございます。これにつきましては、平成九年にRDF全国自治体会議を設立をいたしておりまして、この会議には本県を含めまして全国百六十七の自治体が参加をいたしております。そして、必要な情報を積極的に交換をし、それを役立てているわけであります。大牟田の
リサイクル発電事業の
運営協議会の方でありますが、これは
リサイクル発電株式会社そのもの、県、大牟田市、電源開発株式会社それから、このRDF事業に参加をしております七組合などで構成をしております。この目的は、大牟田の
RDF発電事業を円滑に推進をするということでございまして、この協議会におきまして、関係者間におきましてRDFの安定的な確保あるいは必要な情報交換、運転についての現況等々について説明をいたしているわけであります。
RDF発電所につきましての総点検の点についてであります。設計内容を総点検するというやり方は、どういうやり方が可能かということはいろいろあろうと思いますが、いずれにいたしましても実証試験を行いまして、発電について大きな蓄積、技術力を有しております電源開発株式会社の意見も聞きながら、大牟田の
リサイクル発電株式会社、またプラントを製造しました川崎重工におきまして、点検をするように十分な取り組みをなされますように指導をしていきたいと思います。
ゼロ
エミッションという問題についてであります。大牟田の
RDF発電事業を推進するに当たりましては、ゼロ
エミッションにしたいということが一つの目標でございます。その点から考えました場合に、灰処理につきましても当初から
リサイクルを基本に進めてまいりました。今後とも、この目標に向けまして関係者で最大の努力をしてまいる考えでございます。
次に、農業問題についてであります。まず、農業白書でありますが、農業白書は県の農業の動きを総合的にとらえまして、現状あるいは課題を明らかにしていこうというために毎年発行いたしております。作成に当たりましては、農業の現状、施策の実施の状況をできるだけわかりやすく説明をいたしております。また、
基本計画の進捗状況を具体的な数値で示すという試みもやっているわけでございます。これを通じまして、農業関係者はもちろんでありますけれども、広く県民の皆さんに本県の農業の現状、課題いろんな活動状況を知っていただきたいということで出版をいたしているわけでございます。このような白書の目的でありますが、十分に活用されてないんではないかというお話でございます。今回の白書の場合には、特にことしは非常に重要な年でありまして、あまおうを本格的に生産し、発売をするというときであります。これをうまく成功させるということが本年の本県の農業にとって非常に大きな課題であるわけでございます。このような取り組みの状況とかあるいは地産地消の取り組みを特集として取り上げております。そういうことでありますが、県民の皆さん、本当に読んでもらっているかどうかということにつきましては、なかなかそうもいってないという意見もございます。今後とも、いろんな面で活用されますように、農業関係者はもちろんでありますけれども、地産地消あるいは消費者の理解を進める資料といたしまして活用するように努力をしてまいる考えでございます。
高収益型園芸事業の採択要件の緩和についてでございます。高収益型園芸事業につきましては、これまでも使いやすいようにしていくということのために、要件の見直しを行ってまいりました。平成十四年度からは中山間地域、都市近郊などの組織化がなかなか困難であるという地域におきましても、
認定農業者の意欲ある取り組みを支援するという考え方に立ちまして、個人を対象に支援をできるようにしたわけでございます。米あるいは畜産農家の皆さんに対します個別の支援制度の導入についてでございます。畜産につきましては、既に法人化を要件にこの個別助成を行っております。米につきましては、水の管理といった問題などがございまして、地域全体で取り組まなければうまくいかないという必要がございますから、集団組織のみを助成の対象としているのが現状でございます。しかし、近年は非常に大規模な農業を営みます個人ないし組織ができてまいりました。このような現状、そしてまた耕作放棄地の防止という面で考えますと、個別の農家でも地域全体で取り組むような課題にこたえ得るということもふえてきておるというふうに考えられますから、この助成のあり方につきましては今後研究をしてまいる考えでございます。
県の農業、いろんな助成を行っておりますけれども、いろんな条件変化、時代の変化に対応して条件の緩和を行ってはどうかということについてでございますが、県はこれまでも農業の実情、事業の目的達成ということを考慮いたしまして、実態の変化に合わせた形でのあるいは変化を誘導するためにも条件の緩和を行ってまいりました。今後とも農業の実態あるいは関係者の意見もよく聞きながら、条件の緩和が適当であるかどうか研究をしてまいりたいと考えております。
10 ◯副議長(井手 善来君) 原
環境部長。
*
環境部長答弁
11 ◯
環境部長(原 明輝君)登壇 事故による損害及び賠償についてでございますけれども、これまでの事故のうち、一月の事故につきましては、議員御指摘のとおり損害賠償額が確定しておりますが、現在確定しているのはこの一件のみでございます。その他の事故につきましても、
メーカーに責任があると認められた場合は、保障協議が行われることとなります。
次に、
保証期間についてでございます。
保証期間につきましては、契約で二年間と規定されております。事故が連続したことをもって延長した事例はないと聞いております。しかしながら、何らかの方策の可能性を含め、関係者と協議を進めてまいりたいと考えております。
次に、十四年度の決算及び十五年度決算見込みについてでございます。大牟田
リサイクル発電所の十四年度の決算では赤字を計上しておりますが、これは灰処理費が見込みを大きく上回ったことによるものでございます。しかしながら、会社の経営状況を見る上で重要な指標であるキャッシュフローにつきましては、適正な水準が確保されていることから、健全な経営がなされているものと考えております。平成十五年度につきましても、キャッシュフローは適正な水準が確保される見通しが立っていると聞いております。
次に、焼却灰についてでございますが、焼却灰の
リサイクルにつきましては、これまで
大牟田リサイクル発電株式会社、福岡県、大牟田市及び電源開発株式会社の四者でその開発に取り組んできたところでございます。土木資材として活用するための強度に関する技術的な点につきましては、一定のレベルに達しておりますが、実用化までにはいましばらく時間を要する状況にございます。そのコストにつきましても、極力安くする方向で検討を進めているところですが、現時点で具体的な数字をお示しできるまでには至っておりません。
次に、
RDF処理委託料についてでございます。委託料の単価につきましては、RDFの処理委託を行う各一部事務組合と
大牟田リサイクル発電株式会社との間で締結されております委託契約におきまして、灰処理費等の変動に伴い改定されることが規定されております。したがいまして、灰処理単価に変更が生ずる場合は、この契約条項にのっとって事業計画の変更も必要になるものと考えております。
12 ◯副議長(井手 善来君) 森山教育長。
*教育長答弁
13 ◯教育長(森山 良一君)登壇 県立高校の再編成にかかわる問題でございます。
まず、本年度開校いたしました再編校の評価についてでございます。真の教育の成果があらわれますには、もう少し時間が必要でございますが、各再編校におきましては、保護者や中学校、地域への積極的な情報提供や連携を深める取り組みを進めておりまして、地元におきましても一定の評価が得られているものと認識をいたしております。また、新たな教育システムや教育計画等を着実に実施に移しますとともに、継続的に教員研修に取り組みまして、教育改革の推進に努めておるところでございます。今後とも、校内での教育改革に向けた取り組みや学校自己評価の実施などを通じまして一層県民の期待にこたえられる学校づくりに努めてまいりたいと考えております。
次に、
再編対象校の教職員の配置についてでございます。
再編対象校につきましては、在校生に対する適切な教育活動や円滑な学校運営を確保するための人事上の配慮が必要でありまして、平成十五年度につきましては、各学校の要望に基づきまして教職員の配置等につきまして必要な措置を行ったところでございます。平成十六年度につきましても、各学校の状況を十分把握いたしまして、必要な配慮を行ってまいりたいと考えております。
次に、県立の
中高一貫教育校についてでございます。まず、
中高一貫教育校の理念、目標でございますけれども、
中高一貫教育校におきましては、六年間の計画的で一貫した指導によりまして、生徒の個性を伸ばし、希望する進路の実現を目指すことを基本といたしまして、それぞれの学校の伝統や地域の特色を生かした体験的な活動なども重視をして、人間性や創造性に富む新しい時代を切り開く力を持った人材の育成を図ることを目標といたしております。
次に、具体的な御質問でございますが、第一点は、第十学区の中等教育学校への入学希望者及び入寮希望者の見込みについてでございます。アンケート調査や説明会の実施を通しまして把握した保護者等の意向によりますと、県下の幅広い地域から募集定員百二十名をかなり上回る入学希望が期待できる見込みでございまして、今後さらに開催する説明会の状況も見きわめながら、入学希望とあわせて入寮希望者の把握に努めてまいりたいと考えております。
第二に、寮の施設と運営についてでございます。既存の黒木高校の寮は老朽化が著しく、整備の必要がありますことから、今年度その整備計画を策定をすることといたしております。また、運営につきましては、現在も舎監教員の配置による指導態勢を整えておりますけれども、中学生という発達段階を考慮いたしまして、より適切な対応を工夫をしてまいりたいと考えております。
第三に、校舎等の整備についてでございます。中等教育学校及び移行期における現在の黒木高校の教育活動が適切に行われますように、不足する教室等の整備を行う必要がありますことから、既存施設の状況を踏まえ、必要性、緊急性などを見きわめながら、施設整備を計画的に進めますとともに、きめ細かな指導が行われるように、適切な教員配置に努めてまいりたいと考えております。
最後に、交通機関の整備についてでございます。現在、それぞれの地元の路線バス会社等の交通事業者に対しまして、通学時間帯における運行便数の増加や運行経路の学校までの延長、新たな経路の新設、あるいはスクールタクシー的な運行等につきまして鋭意協議を行っておるところでございまして、このような取り組みを通しまして通学利便性の向上に努めてまいる所存でございます。
今後とも、本県初の
中高一貫教育校としての特色や魅力が十分生かされまして、生徒が夢と希望を持って入学をし、充実した学校生活を送ることができますように、学校や地元の御意見をお聞きしながらその教育環境の整備に全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
14 ◯副議長(井手 善来君) 石橋保則君。
15 ◯三十九番(石橋 保則君)登壇 御答弁ありがとうございました。一、二点再質問させていただきます。
RDF発電に関してでございます。九月二十三日、
貯蔵サイロで事故が起きまして、今、事故原因解明のために、約三千トン、サイロの中にあったRDFを空にする作業を進めております。約四十日間かかるそうです。と申し上げますのは、一方では毎日RDFを製造して各市町村から発電所に運んでくる。それも焼却をしながら、一方でRDF貯蔵のサイロを空にする作業です。そして、空にしながら
貯蔵サイロの事故の原因を究明するという作業を今行っておりますけれども、まさに考えてみますと綱渡り、薄氷を踏むような、そういった思いがいたします。もし、今発電所で事故が起きたら、それこそすべてが……と、こういった状況があるわけです。確かに知事も深刻に受けとめると言われておりましたけれども、発電所、本当に安全確保をどうしていくのかというのが最大のしなくてはいけない課題だと思ってます。事故も四度起き、その事故も全く違ってます、箇所が。結果、設計上のミスから来た事故なんです、それぞれ。そういう意味では、確かに相当な知識を有します電源開発株式会社などの知識も得ながら、と言いながらもそれでもなおかつ設計上のミスのために三度、四度事故が起きたと。だったら、もう一回設計そのものを総点検をしながら安全で運転できる態勢をつくることが重要だと、こういう気がするわけです。ですから、私はですね、単に
メーカーである川崎重工に安全点検に関する十分な取り組みをされるように指導するだけでは、安全性は担保できるとは思ってません。もう一度、そういう本当に安全性を担保するための態勢、対策、だからですね、先ほど言いましたように、本当に多くの知恵をかりながら、研究者含めて多くの知恵をかりながら総点検をし、そして安全な
RDF発電所の運営態勢をつくり上げていくということが必要だろうと思いますので、その点についてはもう一回知事にお尋ねいたしたいと思っております。
二点目が
環境部長ですけれども、先ほど灰処理の問題について質問いたしました。私は、灰処理についてはですね、焼却灰の処理の恒久対策をどのように行おうとしているのかということが一点目でした。二点目が、そのための検討状況と時期の目途を明らかにしていただきたいということを申し上げましたけれども、これの答弁が抜けておりますので、ぜひ答弁をしていただきたいと思ってます。と申し上げますのが、
発電事業をするに当たって、焼却灰の処理というのは絶対的な対策です。ゼロ
エミッションという考え方から、当初
リサイクルということを研究しましたけれども、それができないまま
見切り発車でした。そして結果、まさに場当たり的な、そういった焼却灰の処理が今行われております。来年の三月いっぱいです。四月以降どうなるかと市民の不安、あるいはそのことが単に市民の不安だけではなくて、県も含めた行政への不信となって今大きく渦巻いてます。それに的確にこたえるのが県行政の役割だろうと思っています。そういう意味で、焼却灰の処理について、本当に来年の三月までこういった形ですると、そういった明確な回答をいただきたいと思っておるわけでございます。
それから最後にですね、中高一貫の問題について教育長に要望いたします。視察に行きました。で、整備計画を今策定されております。本来であれば、来年の四月開校です。今年度整備計画をして、来年度の事業として整備を行うということではなくて、今年度整備をして、そして新入生を迎える、そういったことが行政の責任ではなかろうかと思ってます。ありあけ新世高校もしかりでした。制度上のいろんな課題があると思います。だったら、今年度当初予算で設計費を上げ、そして後半の補正予算で少なくとも第一次の整備計画は実施をして受け入れる、その辺の責任ある対応は、教育委員会はすべきだと思っております。今後も、また平成十七年度開校予定の学校もあります。そういう意味では、十五年開校、十六年開校、十七年開校と続きますけれども、高校再編における新しい学校に希望に燃えた子供たち、
生徒たちが入学する、そしてそれにこたえられるような教育環境の整備というのは教育委員会の責任だと思ってます。ぜひそのことを果たしていただくことを強く要望して私の再質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
16 ◯副議長(井手 善来君) 麻生知事。
17 ◯知事(麻生 渡君)登壇 発電所の設計を総点検してはどうかということについてでありますけれども、やっぱり中心はこれをつくっております電源開発あるいは
リサイクル発電株式会社そのもの、そして川崎重工、それの中でまず点検することが出発点であると思ってます。外部的な意見をいろいろ必要な場合に聞いていくということが生じました場合には、当然そのような知見を動員しながら、安全性の向上を図っていきたいと考えております。
18 ◯副議長(井手 善来君) 原
環境部長。
19 ◯
環境部長(原 明輝君)登壇 四月以降の焼却灰の処理について答弁が漏れているということで、失礼いたしました。
焼却灰の処理につきましては、適正にかつ安定的に処理することが大切でありまして、
リサイクルといった視点も含めて検討を進めているところでございます。四月以降の灰処理方法の決定につきましては、
大牟田リサイクル発電株式会社、福岡県、大牟田市、さらには電源開発株式会社、さらには各一部事務組合等で組織いたします大牟田
リサイクル発電事業
運営協議会、この協議会の議を経て決定されることとなりますので、できるだけ早い時期に決定されるようしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えております。
20 ◯副議長(井手 善来君) 大城節子君。(拍手)
*大城議員質問
21 ◯三番(大城 節子君)登壇 一時を過ぎました。こんにちは。公明党の大城節子でございます。先ほどから、RDFの安全性についての御質問がありますが、私もまず
RDF発電所の安全性についてお伺いいたします。
昨年十二月に、ゼロ
エミッションを掲げ、ごみ焼却による
ダイオキシン類対策と余熱発電を目的に建設された大牟田
リサイクル発電所は、九月二十三日、
貯蔵サイロ排出コンベヤーに発煙が確認され、翌二十四日には操業開始から三度目の運転停止という事態を招きました。大牟田
リサイクル発電所は当初、焼却灰の再利用計画も考慮され、炭鉱閉山後の地域振興をかけた大牟田市の環境
リサイクル産業構想の看板として本県と大牟田市との共同出資により設立されました。しかし、ことし一月、送風機の羽車が製造ミスで破損し運転を停止し、四月には焼却炉内の耐火材の一部がはがれ落ち、コンベヤー式の循環装置を焼く火災を招き、さらに八月八日には焼却炉内の伝熱管が破損し蒸気が漏れ出したため、運転を停止せざるを得ない経過があります。RDFは、生ごみや廃プラスチックなどの可燃ごみを砕いて乾燥させ、腐敗防止のため、石灰を混ぜながら押し固めたものであります。RDFの形状は、長さ三から五センチ、直径一・五から五センチの棒状のもので、運搬や貯蔵が簡単であるとの利点があります。反面、RDFは吸湿性があり、発酵、発熱しやすい物体でもあります。RDF製造は、八〇年代後半にごみ焼却炉の排ガスに含まれる
ダイオキシン類の規制強化が取り上げられる中、生活環境の中で排出する大量の可燃ごみが燃料になり、公害を抑制する上に余熱が発電にも利用できる新技術として注目を集めてきました。さらに、循環型社会の一環として、自治体の中にはRDF施設の導入を検討しているところが少なくありません。既に三重県多度町を初め、茨城県鹿島市、石川県志賀町、そして本県大牟田市の全国四カ所で
RDF発電所が設置されています。しかし現在、最も懸念されることは、この関連施設で事故やトラブルが相次いでいることであります。去る八月十九日午後二時十五分ごろ、三重県多度町のごみ固形燃料発電所の貯蔵タンクが爆発し、天井部が吹き飛ぶ事故が起きました。それにも増して不幸なことは、タンクの上で消火作業中だった消防士の男性二人が吹き飛ばされ、死亡したことであります。同時に、同発電所を建設した
メーカーの下請会社のアルバイト男性従業員も腰をけがする事故でありました。現場のサイロでは、事故五日前の十四日にも貯蔵中のRDFが爆発し、四人がけがする事故があったばかりでありました。環境先進県を掲げる三重県は、
RDF発電を積極的に導入したものの稼働直後から
貯蔵サイロのトラブルだけでなく、発電施設の
タービン軸受けの傷や給水ポンプの故障なども発生するなどトラブル続きでありました。その都度、県企業庁は原因がRDFの成形が不良で崩れやすいため、発酵、発熱が起きたためと判断し、ことし二月以降数回、県内七カ所の
RDF製造施設の担当者を集め、RDFをもっとかたく製造するように、などと口頭で伝える程度の改善の依頼だけでありました。その結果、一月、三月、四月には発電用のタービンやボイラーも故障し、たびたび操業中断に追い込まれていったのであります。ここで注目すべきことは、三重県はその後もRDFの成形規格を定めず、搬入時の検査は目視だけで終わっていたことであります。再三のトラブルにもかかわらず、抜本的改善策がとられないまま、再び異常発熱が始まったのであります。当時の貯蔵槽の温度は上昇を続け、外壁では最高百八十一度を記録したと報じられました。三重県警は、八月十九日の貯蔵槽の屋根が吹き飛んだ爆発については、以前のトラブルと同様、発酵したRDFから発生した可燃性ガスが貯蔵槽内に充満し、何らかの火種が引火したとの見解を示しておりました。トラブル発生の原因はさまざまですが、最新鋭の施設でこれだけトラブルが続くのはやはり異常であり、安全性に不安を抱かざるを得ません。
さて、大牟田
リサイクル発電所の村上忠信所長らは、運転停止の原因について、サイロ下部にあるRDFを運ぶコンベヤー部分の摩擦でRDFが発熱したと指摘しており、三重県多度町の事故のように、内部のRDF燃料が発酵して燃えたわけではない、サイロ内の一酸化炭素濃度に特別な異常は見られないと発表しております。また、構造的な問題については原因が不明で、何とも言えないと語っております。大牟田
RDF発電事業所には、
ダイオキシン類基準の適合施設として、二十八市町村が参加し、七つの団体がRDFを製造し、搬入しております。また、RDFの焼却量は、日量三百十五トン、RDF焼却処理後発生する電力を売電しておりますが、これは一般家庭の三万世帯分を発電し、しかも発電出力は二万六百キロワットであります。ごみ発電としての効率は、最高レベルの三〇%強を要しています。最新鋭技術の施設だけに、続発するトラブルに地域住民などからは安全性を疑問視する声も上がっており、県民の一人として三重県多度町の事故を考えますと、RDF施設に構造上の問題はないと言い切るには余りにも軽率な判断ではないでしょうか。
そこでお尋ねいたします。
RDF製造施設の基準は、二〇〇一年に廃棄物処理法施行規則で定められていますが、本県は七つの団体から搬入するRDFの性状を把握されているのか。また、全国の関連施設と比較して、RDF燃料は強制を持った基準で製造されているのか、さらに定期的にRDFの性状基準点検を実施しているのかお答えください。
RDF発電は、夢の
リサイクル発電と脚光を浴び、循環型社会の一翼を担う事業であります。しかも、私たちの生活環境にとって、今後多大な恩恵が期待できるだけに、安全なRDFの性状や製造及び管理体制、利用方法について抜本的見直しを強く訴えるものでありますが、いかがでしょうか。知事の御所見をお願いいたします。
次に、アレルギー疾患対策についてお伺いします。過日、六歳の男の子を抱えた三十代のお母さんから御相談を受けました。お母さんのお話は、お子さんが離乳食を始めたときから食物アレルギーの症状が起き、米、小麦、大豆、卵、牛乳乳製品と五大アレルゲンすべてに反応し、特に牛乳乳製品を食べるとショック症状を起こして命にかかわる状態が続いているとの内容でした。親として、我が子に何を食べさせていいのか今もって手さぐり状態、おやつも常に持参、外食は何が入っているかわからないので食べさせられない。しかも、アトピーのような皮膚の症状はないためかえって誤診を受けることも多く、周りからは食べさせないからよくならない、甘やかしている、など心ない言葉に傷つき、同じ症状の子供を持つ友人と励まし合っているとのことでした。最近、抜歯の麻酔で目に反応が出て救急センターへ駆け込むことがあり、そのときに目をかきむしり、顔がはれ上がった我が子の姿に、かわいそうと思うとともに、親として何もできないことにただただ気落ちするだけで、今後の生活に不安を覚えてしまうとのことでした。
さらに、幼稚園を決めるときも先生たちはアレルギーと聞くとしり込みし、一人の子供だけに特別な配慮はできないと言われ、入園拒否や弁当持参を要求、親の願いとして、食べ物の制限があるからこそ給食を通して子供に皆と食べる楽しみを教えたい、そのために食べられないおかずだけかわりの物に差しかえてもらいたいとの思いは聞き入れられず、園の厳しい対応に大きな壁を感じました、と述べていました。幸いにも、現在は和食中心の給食でアレルギー対応食ができる保育園に通っていますが、来年の小学校入学が不安でならないと語っておりました。また、重度のアトピーになった一歳七カ月のお子さんのことで悩むお母さんの切実な声もありました。生まれて数カ月でアトピー性皮膚炎と診断され、一歳のころにはかゆくてかきむしるため、顔まで包帯をぐるぐる巻かれる状態になり、すべての食品にアレルギー反応を示し、水も空気にも反応をするありさまだったそうです。一歳七カ月となった今、空気は気にならなくなったものの、食品はいまだにほとんど食べられず、アレルギー専門のミルクを飲ませているとのことでした。そのミルクは、一缶四百二十グラム三千六百円かかり、わずか二日間でなくなってしまう、ミルクではたんぱく質が足りないので、鯨の肉も試し、ウサギの肉も試したけれども、体は受け入れず、我が子のために食べれるものがないかと必死に探しています、と。しかも、ミルク代だけでも家計は火の車、アトピーだと学資保険も入れないと目を潤ませて訴えるお母さんの姿に胸が詰まり、心穏やかではありませんでした。
さて、公明党福岡県本部女性局は、今や国民の三人に一人が何らかのアレルギー症状に悩み、これからもふえ続けることを心配し、本年九月、福岡アレルギーを考える母と子の会の皆様と一緒に、県下においてアレルギー疾患対策を求める署名運動を行い、同時に実態調査のアンケートを実施したところ、多くの共感の声が広がり、四十三万二千三百六十名の方々の署名をいただくことができました。改めてこのアレルギー問題に対して、関心が高いことを実感したのであります。その折、アンケートに答えた方々の声を集計した結果、次のようなことがわかりました。アレルギー疾患の可能性がある十五の症状を挙げて尋ねたところ、花粉症やアレルギー性鼻炎の可能性のある人が全体の四三・二%、アトピー性皮膚炎の可能性のある人が四二・五%と高率であったこととあわせて、アレルギー疾患であると医師に診断を受けた人が四九%と約半数、二人に一人の割合であることが判明しました。国民の三人に一人と言われてきたアレルギー疾患ですが、実態は二人に一人となり、患者がふえ続けていることがわかります。
次に、アレルギー疾患の方にとってお困りのことは何でしょうか、と尋ねた結果、最も多かったのが、どの医師に受診してよいかわからないが四五・六%、二番目に多かったのが、薬について正しい情報が得られないが四三・八%、そして医療費の負担が重いが三九・六%という回答となっており、現時点の医療に対しての不安の度合いが大きく反映された結果となりました。この実態を目の当たりにし、ぜひとも地域社会で実際に患者が正しい治療を受けられるアレルギー専門医の配置とそして患者の不安をなくすため、保健所などで正しい情報を提供する態勢など五つの要望事項をまとめ、九月十六日に坂口厚生労働大臣に署名を提出してまいりました。公明党は、一貫して環境や社会生活の変化を背景に確実にふえ続けているアレルギー疾患対策に力を入れて取り組んできました。一九九九年十一月に、アレルギー疾患対策プロジェクトを設置、直ちに二〇〇〇年四月には国の取り組み強化を求める全国から寄せられた一千四百六十四万人の署名を当時の内閣総理大臣に届け、その結果、国の研究治療の拠点である臨床研究センターが国立相模原病院に開設、しかもアレルギー対策予算が従来の二億円から百億円を突破するまでになったのであります。二〇〇二年度の学校保健統計調査によると、ぜんそくを持つ子は幼稚園で一・三%、小学校二・七%、中学校二・二%、高校一・四%と小中高で過去最高を記録し、十年前の二倍にふえています。また、国内では年間ぜんそくで死亡する数、約四千人、先進国の中では最高水準にあり、年齢別に見ると思春期のぜんそく死、乳児のぜんそく死が増加の傾向にあります。厚生労働省研究班が昨年十一月に発表した調査では、アトピー性皮膚炎にかかっている幼児は、一歳半で十人に一人、約十年で二倍に増加、三歳児の有症率も一・七倍、症状は幼児よりも児童の方が重症であることが特徴であります。さらに、昨年三月に公表された厚生労働省の食物アレルギーの実態及び誘発物質の解明に関する研究によると、過去五年間に食物アレルギーによる死亡例は十六件と明らかになっています。
そこでお尋ねします。国立成育医療センター研究所の調査では、アレルギー疾患になりやすい体質の若者が増加し、二十歳代前半では約九割近くがアレルギー予備軍であることが明らかになりました。本県の医療機関で把握されるアレルギー疾患の実態は、この十年間でどのような推移で変動しているのかお答えください。
ところで、アレルギー疾患は一人一人が適切な治療を受ければ大半の人が症状をコントロールできると言われていますが、患者の大きな悩みは、どこの病院に行けばよいかわからないことです。自分の住んでいる地域のどこに専門医がいるのか、確かな情報提供を得るにはどこに聞けばいいのか。本県では、医療相談窓口がありますが、アレルギー専門の病院や専門医の把握及び紹介の情報提供は可能でしょうか、お答えください。
現在、福岡市東区では、地域の保健福祉センターへ聞けば認定専門医を紹介してくれ、専門医と連携した学校の健康教育の取り組みがなされています。食物アレルギーを持つ子の給食対応、ぜんそく児の急増などを踏まえれば他の地域においても学校の健康教育の取り組みが強く推進されるよう、積極的に医師会や学校に働きかけていかれることを強く要望します。二十一世紀を担う子供たちは、一人一人がかけがえのない可能性を持った宝であります。子供たちを守り、健やかに成長していける社会を築くためにも、アレルギー疾患問題について本県では今後どのような対策を考えているのか、知事の英断をお聞かせください。
以上、質問を終わります。(拍手)
22 ◯副議長(井手 善来君) 麻生知事。
*知事答弁
23 ◯知事(麻生 渡君)登壇 大牟田の
RDF発電所の問題についてでございます。
まず、ここに持ち込まれますRDFの製造基準についてであります。RDFの性状そのものにつきましては、RDFをつくって持ち込んでまいります各地の事務組合と
発電株式会社との間で処理委託契約を結んでおります。その契約に基づきまして、水分とか形状とかかたさとか、そういうような搬入基準を定めております。これは相当厳しいものになっているわけでございます。これによって搬入されるものが決まってまいりますし、これに合わせた形で各地のRDF工場におきましてRDFがつくられているわけでございます。当然、発電所側におきましては、搬入されるこのRDFにつきましては、適合しているかどうかということを定期的に検査をいたしているわけでございます。
次に、RDFの管理体制についてでございます。先ほど申しましたが、
RDFそのものにつきましては搬入基準という形でその中身についての規制を設けているわけであります。そして、この基準に合っているかという定期的な点検、さらにこれを保存しますサイロ、そのサイロ内の温度などにつきましては、二十四時間の監視体制をとっております。また、異常が生じました場合には不燃性のガスを投下するというような防護体制をとっているわけでございます。さらに、国の方ではRDFの安全管理に関します基準の策定をするという方向で検討が進められております。その結果も踏まえまして、さらに必要な改善をしてまいりたいと思っております。
アレルギーの問題についてでございます。本県におきますアレルギー疾患の患者数等につきましてはどうかということでございますが、本県だけの特段の調査をしてないという状況でございまして、この把握した数字はございません。ただ、アレルギー性の疾患のうちぜんそくでございますが、これは厚生労働省が患者調査を行っております。そして福岡県の場合にはぜんそく患者の受検率から患者数が推計をされているわけでございます。それによりますと、外来で平成五年の段階ですけれども、人口十万人当たり二百二十人、また八年では百五十七人、十一年では百五十六人という数字になっております。